街路樹が植え込まれた歩道を1台の自転車が走っていた。
肩甲骨の辺りまで伸びた真っ直ぐな黒い髪が初夏の太陽を反射して
キラキラと光っている。
ウォッシュアウトしたフレアーのジーンズにアディダスのスニーカー。
黒のキャミソールが小麦色の肌にマッチしていた。
ちらっと彼女がこっちを見た時に私と眼が合った。
「シャ、《サザン・クロス》ノ タレント ヨ。」
助手席に乗っているアキがそう言った。
「え、何で解るの?」
「コノヘンデ バイシクル アルワ アノ オミセ ダケダカラ。」
「ああ、そうなんだ。」
この街にはフィリピン・パブと呼ばれる店が2件ある。
アキは私がよく行く《サンセット・ベイ》のタレントであり、自転車を
漕いでいるのが《サザン・クロス》のタレントなのだ。
「アノ オミセ イイヨ。バイシクル アル カラ。」
「バイシクル あったら良いの?」
「オオ、コンビニ イクノ ハヤイ デショウ。」
「まあ、確かにね。」
そう答えながら自転車のフィリピーナを見ていた。
私の運転する車は信号待ちの渋滞につかまり、今はもう後姿しか見え
なくなっていた。
アキはミンダナオのダバオ・シティの出身で2回目の来日である。
今日は彼女の好きな《ステーキ》を食べに行く。つまり《同伴》なのだ。
アキは誰もが想像するフィリピーナの顔立ちとは少し違う。スパニッシュ
のエキゾチックさとも違うのだが、スッキリとした顔の美人である。
今まで幾人かのダバオ出身者を見てきたが、どのタレントもそういう系統
の顔立ちをしているような気がする。
自転車のコはいかにもマニラっ子という感じのフィリピーナらしい顔立ち
であり、今隣に座っているアキとは対照的な魅力を持っていた。
信号が青に変わり車がゆっくりと流れ出した。
一生懸命に漕いでたのだが信号で横断歩道を渡りきれずにいた彼女を
通り越そうとした。
何気なく彼女を見た。
”ニッ”っと笑い、親指を立てた右の拳を私に向かって彼女は突き出し
ていた。
アキの持つ”しっとり”としたイメージとは正反対の今日の天気のよう
な明るい、そして屈託の無い笑顔だった。
肩甲骨の辺りまで伸びた真っ直ぐな黒い髪が初夏の太陽を反射して
キラキラと光っている。
ウォッシュアウトしたフレアーのジーンズにアディダスのスニーカー。
黒のキャミソールが小麦色の肌にマッチしていた。
ちらっと彼女がこっちを見た時に私と眼が合った。
「シャ、《サザン・クロス》ノ タレント ヨ。」
助手席に乗っているアキがそう言った。
「え、何で解るの?」
「コノヘンデ バイシクル アルワ アノ オミセ ダケダカラ。」
「ああ、そうなんだ。」
この街にはフィリピン・パブと呼ばれる店が2件ある。
アキは私がよく行く《サンセット・ベイ》のタレントであり、自転車を
漕いでいるのが《サザン・クロス》のタレントなのだ。
「アノ オミセ イイヨ。バイシクル アル カラ。」
「バイシクル あったら良いの?」
「オオ、コンビニ イクノ ハヤイ デショウ。」
「まあ、確かにね。」
そう答えながら自転車のフィリピーナを見ていた。
私の運転する車は信号待ちの渋滞につかまり、今はもう後姿しか見え
なくなっていた。
アキはミンダナオのダバオ・シティの出身で2回目の来日である。
今日は彼女の好きな《ステーキ》を食べに行く。つまり《同伴》なのだ。
アキは誰もが想像するフィリピーナの顔立ちとは少し違う。スパニッシュ
のエキゾチックさとも違うのだが、スッキリとした顔の美人である。
今まで幾人かのダバオ出身者を見てきたが、どのタレントもそういう系統
の顔立ちをしているような気がする。
自転車のコはいかにもマニラっ子という感じのフィリピーナらしい顔立ち
であり、今隣に座っているアキとは対照的な魅力を持っていた。
信号が青に変わり車がゆっくりと流れ出した。
一生懸命に漕いでたのだが信号で横断歩道を渡りきれずにいた彼女を
通り越そうとした。
何気なく彼女を見た。
”ニッ”っと笑い、親指を立てた右の拳を私に向かって彼女は突き出し
ていた。
アキの持つ”しっとり”としたイメージとは正反対の今日の天気のよう
な明るい、そして屈託の無い笑顔だった。